Nippon Archives 京都二十四節気

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秋霧(秋分の自然)
秋が深まると、内陸の盆地では頻繁に霧が発生します。京都では「丹波霧」が有名で、盆地を埋め尽くす深い霧が幻想的な光景を創り出します。霧は、無数の微細な水滴が空気中に煙のように立ち込める現象。万葉の頃は季節に関係なく「霧」と呼んでいましたが、平安時代になると「春は霞、秋は霧」と使い分けるようになったそうです。「春秋の争い」という言葉がありますが、かつて日本人は、春と秋のどちらが優れているかを議論しました。同じ現象でも微かな趣の違いを捉え、季節を対比して魅力を確かめ合う――そんな、豊かな感性があったのです。
精進料理(秋分の暮らし)
もともとは修行僧の食事で、殺生を禁じる仏の教えに従い、肉や魚をいっさい使わず、野菜や豆類、穀物を工夫して作られます。海から遠い京の都は魚介類の入手が困難で、その代わりとして寺社による精進料理が発達しました。農家の人々は、これを支えるため、努力や工夫を積み重ね、味わい深く栄養価の高い野菜を生み出していきます。これが、「京野菜」のはじまりといわれます。寒暖の差が激しい独特の気候や豊かな土壌も、良質の野菜を育んできた要因の一つでした。信仰心の篤い京都では、今でも大切に、この仏のご膳が継承されています。

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